100 Greatest Ever Albums I've Heard (85~81)

その作品がいかに優れているか、またいかに好んでいるか。今回の選出において、それらは尺度足り得ない。 今現在の自分の中にある“音楽”を形成するために多大なインパクトを与えた―つまり爪痕を残し、記憶に刻み込まれ、そして新たな扉を開いた作品たちを100枚選びぬいた。

自分にとっての偉大な作品100選、アルバム編。

選出方法は至ってシンプルだ。まずは上述したコンセプトに適している作品を、主観で100枚以上選出した。次にプログラムを作成し1枚ずつ比較し、客観的にランク付けを行った。

紹介を始める前に、一点。 洋楽邦楽問わず思うままに選出したが、自分に与えた影響が大きいランキングというコンセプトの性質上、邦楽の作品が比較的ランキング上位に多くなってしまった。 その理由として両親が洋楽を聴く人間ではないというところも大きいが、なにより洋楽を聞き始めた理由はその時に聞いていた邦楽のルーツを辿っていった結果行き着いたからである。あらゆる音楽への門戸は日本の作品であったため、洋楽と比較したときにその影響度が大きくなってしまうことは避けられない。 このことを頭の片隅に置いておいてほしい (上位は邦楽ばっかりじゃねぇか、と思うかもしれないがご容赦)。

前の順位はこちら tosshie.hateblo.jp

85. Monoliths & Dimensions

アメリカのドゥーム・メタルバンドSunn O)))が2009年5月に発表した6作目。これは俺にとって間違いなく初めてのドローン・ミュージックであるし、そのときの衝撃度だけを見たらドゥーム・メタル自体に出会ったときより大きかったかもしれない。やはりドローンによって組み上げられたヘヴィメタルが存在するなどということは、想像できるはずもなかった。瞑想のお供にぴったり。特に2曲目「Big Church」の神聖で荘厳な雰囲気にはすっかりトリップしてしまう。このような尖った作品でもしっかり高い評価を受けており、一つのジャンルの金字塔として君臨しているところも素晴らしい。日本では無理だろうな。

84. The Hall of the Olden Dreams

スペインのシンフォニック・メタルバンドDark Moorが2000年12月にリリースした2作目。いわゆるクサメタルと呼ばれるジャンルとしては金字塔の一つに数えられる大名盤。女性ボーカルだが女性らしさを売りにしているような感じではなく、勇壮なサウンドを立てるような歌唱をしているところがかっこいい。とはいえ最初は女性ボーカルのメタルに少なからず抵抗感を抱いていたせいか、彼らの作品を手に取ったのは遅めだった。当然後悔した。こんな素晴らしい作品を生み出すバンドの曲をなぜ後回しにしていたのか、と。疾走曲が売りなわけではなく、冒頭からミドルテンポの名曲が並ぶ。しかしやはりそのクオリティに疾走を加えれば神のような楽曲になること必至。「Silver Lake」の爽やかなスピード感、そしてメロスピファン垂涎の至高の一曲「Beyond the Fire」。次作『Gates of Oblivion』も並んで名作と評されるが、衝撃という意味では最初に聴いたこちらに軍配が上がる。女性ボーカルメタルへの抵抗感を払拭してくれた作品だ。

The Hall of the Olden Dreams

The Hall of the Olden Dreams

  • Dark Moor
  • メタル
  • ¥1528

83. Tales from the Twilight World

ドイツのパワーメタルバンドBlind Guardianが1990年10月にリリースした3枚目のアルバム。HelloweenGamma Rayと並ぶパワーメタルの代表格ということで手を出したが、その評判に違わぬパワフルさに唸らされた。初っ端の「Traveler in Time」はミドルテンポか?と思わせておいて疾走しだして思わずガッツポーズ。そして中盤「Lost in the Twilight Hall」では感涙。Helloween/Gamma RayのKai Hansenがゲストヴォーカルとして参加しているというのも激アツで、楽曲自体彼らの最高傑作だと個人的に思っているしメロスピというジャンルに於いても指折り数える好きな曲のうちの一つだ。Kai Hansenといえばラストの「The Last Candle」にはギターで参加していて、こちらも彼らのキャリアで屈指の名曲の一つ。若干B級臭のするオープニング、キレッキレのギターフレーズ、Queenからも影響を受けているというのに納得のラストのかけあい。たまらん。

82. magic theatre

日本のヴィジュアル系ロックバンドLa'cryma Christiが2000年3月にリリースした3枚目のアルバム。最初はヴィジュアル系四天王の一角だということで聞いたのだが、大衆性のあるメロディアスな楽曲にかぎらずプログレ要素を大きく取り入れた雰囲気も非常に好みだった。何と言ってもこのアルバムは11分を超える長尺曲から始まるという攻めた姿勢。それでいてただ挑戦しただけではなく、しっかり名曲として仕上げるあたり技術の高さがうかがえる。「Blossom」のように大衆性に特化したものもありながら、「イスラエル」「Lime rain」「ファシズム」のようにマニアックさと大衆性をうまくバランスどった曲があるのもたまらない。

81. The Joshua Tree

アイルランドのロックバンドU2が1987年3月にリリースした5枚目のアルバム。海外のバンドで、メタルでもハードでもないロックのアルバムに触れた極最初期の作品。手にとって再生ボタンを押して最初の3曲、特に「With or Without You」で完全にノックアウト。なんて美しい曲なんだと感動するとともに、のちに調べてこのアルバムが彼らの最も売れたアルバムでありこの曲が最も売れたシングルなのだと知って大納得。歌詞と対訳を交互に見ながら聴いて、その社会的なメッセージの強さに、まだまだ学生だった自分は何を思うこともできなかったということだけ強く記憶に残っている。

The Joshua Tree

The Joshua Tree

  • U2
  • ロック
  • ¥1935