100 Greatest Ever Albums I've Heard (75~71)

その作品がいかに優れているか、またいかに好んでいるか。今回の選出において、それらは尺度足り得ない。 今現在の自分の中にある“音楽”を形成するために多大なインパクトを与えた―つまり爪痕を残し、記憶に刻み込まれ、そして新たな扉を開いた作品たちを100枚選びぬいた。

自分にとっての偉大な作品100選、アルバム編。

選出方法は至ってシンプルだ。まずは上述したコンセプトに適している作品を、主観で100枚以上選出した。次にプログラムを作成し1枚ずつ比較し、客観的にランク付けを行った。

紹介を始める前に、一点。 洋楽邦楽問わず思うままに選出したが、自分に与えた影響が大きいランキングというコンセプトの性質上、邦楽の作品が比較的ランキング上位に多くなってしまった。 その理由として両親が洋楽を聴く人間ではないというところも大きいが、なにより洋楽を聞き始めた理由はその時に聞いていた邦楽のルーツを辿っていった結果行き着いたからである。あらゆる音楽への門戸は日本の作品であったため、洋楽と比較したときにその影響度が大きくなってしまうことは避けられない。 このことを頭の片隅に置いておいてほしい (上位は邦楽ばっかりじゃねぇか、と思うかもしれないがご容赦)。

前の順位はこちら tosshie.hateblo.jp

75. Yeah! Yeah! Die! Die! Death Metal Symphony in Deep C

フィンランドアヴァンギャルドメタルバンドWaltariが1996年に5月にリリースした4枚目のアルバム。作品ごとに様々な音楽性に移り変わる中で、このアルバムはシンフォニックデスメタル。とはいえそれ以外にもラップやインダストリアルな要素が取り入れられていて、そういった意味でも破天荒。(CDだと)1トラック56分弱にも及ぶ全8楽章という大作で、デスメタルをシンフォニックアレンジしたというよりはシンフォニックメタルにデスメタルを足したというような印象。時が経ってから聴いても色褪せない作品というのは数多くあれど、いつ聴いても新鮮な気持ちで聞けるというのはなかなか珍しい。

74. Lean Into It

アメリカのハードロックバンドMr. Bigが1991年4月にリリースした2作目。学生時代、彼らの熱狂的なファンだった友人がおり、彼からCDを借りて聴いたのが最初。まだまだ探索途中だったということもあり、電動ドリルで演奏する曲があることもその時に初めて知った。もちろん先に1作目を借りていたので、そちらよりもより大衆性が増した曲もありこれは売れるべくして売れたのだなと納得。ただ個人的にバラードは大好きだがアコースティックバラードはそこまででもないので、「To Be With You」はそれほど刺さらなかった。

Lean Into It (Expanded Edition)

Lean Into It (Expanded Edition)

  • Mr. Big
  • ハードロック
  • ¥1528

73. Heartwork

イギリスのエクストリーム・メタルバンドCarcassが1993年10月に発表した4枚目のアルバム。初期のグラインドコアから徐々にデスメタルへと変化し、今作でメロディックデスメタルへと到達。とはいえ順番に聴いたわけではなく、むしろここから聞き始めて逆行していったのでそれはそれで面白い変化だった。代表的なメロデスアルバムと評されるのも大納得で、最初から最後まで全部がかっこよくそして美しい。とりわけタイトル曲は全身に鳥肌が立つほど。これが初めて聴いたメロデスだったら間違いなくもっと上の順位にしていただろう。自分の中でメロデスといえばこれ、と挙げるうちに確実に食い込んでくる1枚。

Heartwork

Heartwork

  • Carcass
  • メタル
  • ¥1375

72. Radiance of Shadows

カナダのドローンドゥームバンドNadjaが2007年10月にリリースした8作目。凄まじいほどの衝撃に見舞われるサウンドで、このアルバムのレビューを見るとよく原子爆弾に例えられるのも納得できる。そもそも1曲目「Now I Am Become Death the Destroyer of Worlds」のタイトルが原爆の父として知られるオッペンハイマーの発言の引用であるところが大きいが、タイトル曲の歌詞も明確ではないものの原爆について歌っているように読めるというのもあるかもしれない。ドゥームメタルの音には慣れ始めていた頃に聴いたが、その辺のドゥームとは一線を画す音像にただただ打ちひしがれた。紛れもない大傑作。

Radiance of Shadows

Radiance of Shadows

  • Nadja
  • メタル
  • ¥1528

71. マグニャカルタ

ヴィジュアル系ロックバンドアンティック-珈琲店-が2006年11月にリリースした2枚目のフルアルバム。やはり2006年前後というのはネオ・ヴィジュアル系の一つの黄金期であり、彼らも癖が強いタイプなので万人受けするわけではないがその黄金期を支えている作品のうちの一つがこれであることは間違いない。ライヴでよく演奏される曲を収録しているなどバンドにとっても重要な一枚で、ポップかつメロディの豊かな曲が多くて耳残りがいいなというのが第一感想。特に「スノーシーン」はサウンドこそロックであるものの、持ち前のメロディアスさに加えて要所要所で切なさを感じさせるポイントがぐっと胸を掴んで離さない名曲 (オフィシャルでPVがあれば貼ったのに)。