100 Greatest Ever Albums I've Heard (70~66)

その作品がいかに優れているか、またいかに好んでいるか。今回の選出において、それらは尺度足り得ない。 今現在の自分の中にある“音楽”を形成するために多大なインパクトを与えた―つまり爪痕を残し、記憶に刻み込まれ、そして新たな扉を開いた作品たちを100枚選びぬいた。

自分にとっての偉大な作品100選、アルバム編。

選出方法は至ってシンプルだ。まずは上述したコンセプトに適している作品を、主観で100枚以上選出した。次にプログラムを作成し1枚ずつ比較し、客観的にランク付けを行った。

紹介を始める前に、一点。 洋楽邦楽問わず思うままに選出したが、自分に与えた影響が大きいランキングというコンセプトの性質上、邦楽の作品が比較的ランキング上位に多くなってしまった。 その理由として両親が洋楽を聴く人間ではないというところも大きいが、なにより洋楽を聞き始めた理由はその時に聞いていた邦楽のルーツを辿っていった結果行き着いたからである。あらゆる音楽への門戸は日本の作品であったため、洋楽と比較したときにその影響度が大きくなってしまうことは避けられない。 このことを頭の片隅に置いておいてほしい (上位は邦楽ばっかりじゃねぇか、と思うかもしれないがご容赦)。

前の順位はこちら tosshie.hateblo.jp

70. New Obscurantis Order

フランスのシンフォニックブラックメタルバンドAnorexia Nervosaが2001年11月にリリースした3枚目のアルバム。シンフォニックでかつ残虐性も兼ね備えたサウンドはEmperor系統。だから俺にこんなに刺さるんだ。ただただ圧倒されるばかりで、気がつくと聞き入って40分ちょっとが過ぎ去ってしまう。そんなモンスターアルバム。まさに化け物。6曲目までひたすら駆け抜けた後にピアノソロ曲を挟むが、このピアノ曲が最後のステップに踏み出すための充電ポイント、嵐の前の静けさ。最後に再び暴虐の限りを尽くす。

New Obscurantis Order

New Obscurantis Order

  • Anorexia Nervosa
  • ロック
  • ¥1069

69. The Black Parade

アメリカのオルタナティブロックバンドMy Chemical Romanceが2006年12月にリリースした3作目。最初はシンプルに名作とされているから聞いたのだが、1曲目から心を掴んで離さないメロディセンスとシリアスなサウンドにすっかり虜になった。そして5曲目に到達したときにようやく、「ああ、この曲はこのバンドのやつなんだ」と気づいた。この曲のインパクトは相当のものだが、それでもなぜかこれだけではなくアルバムを通して聞きたくなる。ざっくり言ってしまえば「死」をテーマにした作品であり、その重いテーマに相応しく最初から最後までまったく気を抜いた曲がない。もともとコンセプトアルバムが好きというのもあるが、そこに加えてこの耳残りの良さである。ロックオペラ万歳。

68. Hysteria

イギリスのロックバンドDef Leppardが1987年8月にリリースした4枚目のアルバム。1作目から順当に聴いていくと正直どんどん期待していた方向からはズレていくのだが、ただ逆にポップメタルのアルバムとして聴くとこれ以上の作品を他に探すのに苦労するほどの作品。捨て曲と言うか間を埋める曲が全くなく、本人たちももしそういうつもりがあったら(結果論としてヒット曲になった)力強い曲を前半に固めるような構成にはしないはず。最初に聴いた時は、間違いなく初めて聴いたはずなのにどこかで聴いたことあるようだと勘違いさせるほどのメロディセンスにただただスゲーと感心しながら聴いていた。

Hysteria

Hysteria

67. Ride the Lightning

アメリカのスラッシュメタルバンドMetallica1984年7月にリリースした2枚目のアルバム。静かに始まって一気に激しさに振り切れる「Fight Fire With Fire」に心を奪われた。再生ボタンを押した直後に。スラッシュメタルにはあまり似つかわしくない言葉だが、なんと美しいことかと息を飲んだ。その後も激しい曲だけでなく「Fade to Black」のような長尺めで緩急の付いた曲もあり、このアルバムを聞き終えた瞬間に自分の中のメタリカの印象が決定づけられた。といってもこのとき植え付けられたイメージはそう長く続かなかったのだが。

66. The Path of Apotheosis

アメリカのテクニカルデスメタルバンドInferiが2014年1月にリリースした3作目。今回こうして取り上げる作品の中では割と新しめ(といっても何年前)で、当時すでにある程度いろいろなメタルを聞いていた自分にとってもかなり新鮮で衝撃的だった一枚。テクニカルな要素だけではなく、時々崇高な美しさを感じさせるようなフレーズも覗かせるメロディアスかつプログレッシヴな側面を併せ持ち、とはいえ一本通った筋は暴虐そのもの。聴いていると脳みそが蹂躙される。悲しいこと?嫌なこと?辛いこと?そんなものはすべてこのアルバムがズタズタ木っ端微塵にしてくれる。