100 Greatest Ever Albums I've Heard (55~51)
その作品がいかに優れているか、またいかに好んでいるか。今回の選出において、それらは尺度足り得ない。 今現在の自分の中にある“音楽”を形成するために多大なインパクトを与えた―つまり爪痕を残し、記憶に刻み込まれ、そして新たな扉を開いた作品たちを100枚選びぬいた。
自分にとっての偉大な作品100選、アルバム編。
選出方法は至ってシンプルだ。まずは上述したコンセプトに適している作品を、主観で100枚以上選出した。次にプログラムを作成し1枚ずつ比較し、客観的にランク付けを行った。
紹介を始める前に、一点。 洋楽邦楽問わず思うままに選出したが、自分に与えた影響が大きいランキングというコンセプトの性質上、邦楽の作品が比較的ランキング上位に多くなってしまった。 その理由として両親が洋楽を聴く人間ではないというところも大きいが、なにより洋楽を聞き始めた理由はその時に聞いていた邦楽のルーツを辿っていった結果行き着いたからである。あらゆる音楽への門戸は日本の作品であったため、洋楽と比較したときにその影響度が大きくなってしまうことは避けられない。 このことを頭の片隅に置いておいてほしい (上位は邦楽ばっかりじゃねぇか、と思うかもしれないがご容赦)。
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55. 聖飢魔II ~悪魔が来たりてヘヴィ・メタる
日本のヘヴィメタル・バンド聖飢魔IIが1985年9月に発表したデビューアルバム。今でこそその因縁は解消されたとはいえ、やはりBURRN!誌で0点をつけられたという"事件"があったことを見たときに、そんなことあるか?と気になりすぎて聴いたのが最初(それ以前は曲単位でいくつか他の曲を聴いていた)。最初からかっこいい曲ばかりだし、なんといっても後半の「悪魔組曲 作品666番ニ短調」なんて最高すぎる。特に「第一楽章: STORMY NIGHT」と「第三楽章: KILL THE KING GHIDRAH」にはシビれた。ユーモアがあってとっつきやすいのに中身は本物だなんて、最高の入口だ。これはそれまでメタルに縁のなかった信者がたくさんできたのも納得納得。
54. J.BOY
日本のシンガーソングライター浜田省吾が1986年9月にリリースした10枚目のアルバム。作品の数も多くそれぞれ手に入ったり入らなかったりがあったので、とりあえず代表作からということでシンプルに最初に手に取ったアルバム。冒頭の「A NEW STYLE WAR」~「BIG BOY BLUES」はそのカッコよさに唸ったし、中盤の「LONELY」~「もうひとつの土曜日」の穏やかでロマンティックなパートには切ない気持ちになって、本編ラストの「J.BOY」で拳を突き上げる。2枚組という大作ながら捨て曲皆無で中だるみすることなく、最初から最後まで入り込むことができた。自分が日本のプロテストなロックに触れたごく初期の作品。
53. Baby's breath
日本のアイドル歌手松田聖子が2007年6月にリリースした42作目。このアルバムを聴いたのはそれほど早い段階ではなかったはずだが、そんな中でガンと頭を打たれるような衝撃を受けた。デビュー30周年を数年後に控えているようなタイミングだが、セルフプロデュース期のみならず全キャリアを通してみても指折り数えるほどにすごいアルバムを作ったなと体感。初めて単独ですべての作詞作曲を務め、持ち前のポップセンスが満開になったのだろうか。明るくポジティブな曲から切ないバラード、アダルトな雰囲気ただようフックの効いた曲まで色とりどり。まだまだインスピレーションに溢れた活動を続けられる姿を見せつけられた。
52. BEAT EMOTION
日本のロックバンドBOØWYが1986年11月にリリースした5枚目のアルバム。聴いて一発で惹きつけられるパワーと魅力に溢れていて、まだまだ日本のロックを聞き始めて間もない頃だった当時の自分に強烈な印象を刻みつけた。バラードも収録されてはいるが「B・E・L・I・E・V・E」くらいなもので、その他大半はビートの効いたロックチューン。一本筋の通ったアルバムの方向性が明瞭でとにかくかっこいい。ラストの曲までアップテンポに仕上げてくるという徹底ぶり。正直聴き返す度にああこんな曲もあったなと思い返すものもあるのだが、それでも聴くたびにかっこいいなと思えるのだからすごい。
51. Slippery When Wet
アメリカのロックバンドBon Joviが1986年8月にリリースした3作目。世界的に大ヒットしたアルバムであることはいうまでもないが、最初にこのアルバムを聴いたときの感想は「これがアメリカのロックか」だった。というのも洋ロックの入りがイギリス寄りだったから。そのときはどちらかといえば「Livin' on a Prayer」よりも「You Give Love a Bad Name」に打たれた。あとは「Raise Your Hands」とかどこかデビュー作の「Runaway」を思わせる「I'd Die for You」あたりが刺さった。統一感と言うよりは一曲一曲のポテンシャルの高さがアルバム全体を引き上げているような印象。シンプルにいい曲しかない。